ウェリントンに来たらぜひ訪れてほしいテ・パパ博物館(ニュージーランド国立博物館テ・パパ・トンガレワ)をご紹介します。
トリップアドバイザーで世界の美術館・博物館トップ25(2017年)にもランクインしたこのテパパ博物館(https://news.artnet.com/art-world/most-popular-museums-tripadvisor-1090307)ですが、なんと入場無料です(一部の短期特別展を除く)。
けっこう広くて情報量も多いので、気軽に何度も足を運べるのは良いですね。
”Te Papa Tongarewa”とはマオリ語で「この土地の宝のある場所」という意味だそうです。
4月のロックダウン解除後、警戒レベル1になり再び開館しています。
1階はミュージアムショップやカフェがあり
2階にはニュージーランドの自然や動植物の展示や、 第一次世界大戦のガリポリの戦いに関する展示があり
3階にはニュージーランドの地理・歴史の展示やカフェがあります。
4階にはマオリ族に関する展示があります。
私のおすすめは、 2階のガリポリの戦いの展示です。
ガリポリの戦いとは、第一次世界大戦でニュージーランドとオーストラリアが 本格的な戦争として初めて海外遠征したもので、多くの死者を出しました。
「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズの映像制作でおなじみのVFX会社Wetaが 展示物の制作に関わっています。全部で6体ある巨大な兵士や看護師の模型は細部に至るまで作りこまれていて、これまで見たどの博物館の模型よりも完成度が高いと感じました。
オークランドの戦争博物館では痛ましい映像や戦争の残酷さを伝えるものが多い印象でしたが、テ・パパの方はそれに比べるとエンタメ性が高く興味のない人でも思わず近づいてみたくなるような作りになっている気がしました。
「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン監督が、 2018年にドキュメンタリー映画「彼らは生きていた」を発表しましたが、 実際の映像に着色し、読唇術で当時の会話を読み取り、 実際に戦闘に参加したイギリス軍人のインタビューを使用するというこれまでにない手法で、第一次大戦の様子をすさまじいリアリティで描写していました。
このテ・パパのガリポリの展示もかなり再現度の高い模型や映像でリアルな戦争をイメージするのにとても優れています。ニュージーランドの戦争史というのは歴史の授業でもメジャーな映画でもあまり目にすることは多くないと思いますが、この機会にぜひWetaの制作した素晴らしい展示とともに学んでみてはいかがでしょうか?
2022年4月25に日まで展示予定です。
同じ階にあるニュージーランドの自然・動植物の展示での見どころは、 南極からきた巨大ホウヅキダイオウイカの生物標本です。世界最大の無脊椎動物とされるこの3m以上の巨大なイカは世界中でもこのテ・パパでしか 標本をみることができないとても貴重なものなので、ぜひ見てみてください。
南島ダニーデンで見ることのできるアホウドリの模型もありました。 海鳥では最大の大きさのアホウドリですが、 繁殖する前に4年間もかけて求愛ダンスを踊るそうです。 名前の割に一夫多妻制なオシドリなんかよりもよっぽど夫婦仲が良さそうなアホウドリです。
日曜日は子連れの人たちが多くなかなか混雑しているので、平日に行ったほうがゆったり見て回れるかもしれません。
一つ一つ真剣に見ているとけっこう疲れてくるので 途中カフェでのんびりするのもありですね。
Museum of New Zealand Te Papa Tongarewa 55 Cable Street, Wellington Open:無休 10時~18時 (クリスマスは閉館)
https://www.tepapa.govt.nz